福祉楽団では、法人の広報誌「GAKUNAVI」にて、ケアの現場で働く職員を紹介する記事を掲載しています。
今回は、「GAKUNAVI」2019年12月号より、植村航さんのインタビュー記事を紹介します。
家は"本屋"の介護職員 杜の家やしお 植村航さん
植村航さん(25)は「杜の家やしお」で働く入職1年目のケアサービスワーカーだ。大学では社会福祉学を学び「社会福祉士」の資格も持つ。
就職活動の当初は民間企業への就職を考えていた。しかし、面接で“やりたいこと”を聞かれても、その理由を無理矢理に考える自分がいて、内定をもらえずに就職留年することを決めた。
沖縄で住み込みのアルバイトをしたあと、図書館でアルバイトをしながら就職活動をしているときに福祉楽団に出会い、良い意味で“福祉っぽくない”ことに魅力を感じた。介護は未経験で不安だったが、職場体験を経て就職を決めた。
2か月間の研修で介護に関する知識や技術を学び、特養に配属になった。
「ケアに時間がかかると入居者さんの生活のリズムが崩れてしまうし、自分が焦ることで不安にもさせてしまう。だから、最初の頃は時間通りにケアをすることに意識がいきがちだった」と当時を振り返る。
「でも、自分がここで暮らしていると考えたら、時間通りにコーヒーを出してもらうことより、笑顔で声をかけてくれたり、話を聞いてくれたりすることの方が嬉しいと考えるようになった」と話す。
今は、以前よりもコミュニケーションがとれるようになり、会話や表情からその人の思いを汲みとることで、ケアを考えるのが楽しくなった。また、理学療法士の職員に声をかけて移乗介助の方法を学んだり、「精神保健福祉士」の資格取得を目指していたりと、スキルアップにも意欲的だ。
将来のことを聞くと、「新しいことに前向きな法人だから、興味がある事業をやるときにはチャレンジしてみたい。分野に縛られずいろんな人の相談に乗れるようになりたいし、実家が書店を経営していて昔から読書が好きなので、本を活かしたサービスなども考えてみたい。あとはパートナーが欲しいですね(笑)」とはにかんだ。
穏やかに、言葉を選びながら話す植村さん。今の彼からは、“やりたいこと”が熱い思いとともに自然と湧いてきていた。
(※この記事は福祉楽団の広報誌「GAKUNAVI」2019年12月号からの抜粋であり、記載の情報は当時のものです。)