石田 龍花
2021年入社 八ヶ岳中央農業実践大学校 専修科野菜コース葉菜部
学生時代に一か月間、農業研修をすることがありました。
どこに行こうが迷っていたところ、「長崎に農福連携を積極的に実践している法人がある」と先輩職員から聞き、農業研修に参加しました。
最初「福祉」と聞くと、果たして自分にはできるのか?と最初は不安でしたが、実習初日に利用者さんが元気よく挨拶をされて、積極的に話しかけてくださり、障がいのある方へのイメージが変わりました。また実習中も利用者さんは職員さんと一緒にモクモクと作業に参加され、作業のスピーディーさに驚いたことを覚えています。
1か月の実習を経て、一緒に働きたいという想いが強くなり、長野県から長崎県へ飛び立ちました。
主に利用者さんと一緒に、農作業をしています。具体的には、事業所が所有しているハウスにてアスパラガスの収穫作業やその他の野菜の管理作業をしています。また、農家実習に引率として出向きます。農家実習というのは地域の農家さんが忙しい時期に、お手伝いをしに行くことです。その際の送迎や農作業の中で利用者さんができない部分を私たち支援員が補うことや実習に出向いたり、畑で栽培したものを販売して利用者さんの工賃として少しでも還元することが私の仕事です。
プリセプターという制度があります。プリセプター=上司です。私は農業の大学卒で、福祉のことは知らずに入社しました。「最初は知らなくても大丈夫」とは言われていたものの、本当にやっていけるのか、私で務まるのか、かなり不安はありました。ですが、分からないことを質問したり、気軽に話しかけてくださったり、困りごとがあった時には相談に乗ってくださいました。また、仕事上でミスをした際にはフォローしてくださいました。会社としては当たり前のことだったのかもしれませんが、新任職員の私にとっては、とても心強い存在です。「福祉の勉強してきていない」「不安でいっぱい」という方でも安心して働くことができます。
ある利用者さんとのエピソードです。
その利用者さんを送迎している際に、道端に咲いている花がきれいで「花が綺麗ですね」とお話すると、
「綺麗ですね。でもね俺、昔は花がきれいだと思ったことはなかったんですよ」続けて「でも、今はこうやって幸せに暮らしているうちに、今は綺麗に思えるです」と言われていました。何気ない会話だったのですが、とても心がじんわりとしました。支援する中で、その人が生きてきた人生の背景や些細なことでも幸せなのだと感じることができる。それが、この仕事をやってよかったなと思える瞬間です。