私が福祉という言葉を意識したきっかけは、阪神淡路大震災でのボランティア活動でした。自分自身も被災者として困難な状況に直面しましたが、その中で人と人とが助け合う大切さを深く実感しました。そして、不安や悲しみに沈む方々に少しでも笑顔を取り戻してほしいという思いが芽生えました。
当初は児童養護施設を志望していましたため、障がい者支援の現場に配属されることには大きな不安がありました。ところが、実際にアルバイトとしてご利用者と関わる中で、それまで抱いていたイメージは一変しました。障がいのあるご利用者の方々は多くの支援を必要としながらも、明るく元気に日々を楽しみ、全力で人生を歩んでいる姿がそこにありました。「行きたい場所に行く」「好きなものを手に入れる」といった願いは、私たちと何ら変わることのないごく自然なもの。そのことに気づかされたとき、いつしか私はご利用者の隣で、一緒に笑いあっていました。